日本にある全てのブラック企業の根絶を目指して

Speee「OB・OGキャリアインタビュー」

vol.7

Speee「OB・OGキャリアインタビュー」

 

ライフステージの変化に合わせた柔軟な働き方を提案したい

 

―現在担当されている業務内容について教えてください。
Speeeはデジタルコンサルティング事業とデジタルトランスフォーメーション事業の2つが大きな事業の柱で、それぞれに専属人事がいます。私はデジタルコンサルティング事業本部に所属し、新卒・中途採用や教育・フォローを担当しています。エンジニア職などの採用を担当する本社付きの人事部もあり、それぞれが連携しながら仕事をしています。

 

2018年4月時点で全従業員は約400人に達し、事業領域がかなり多岐にわたってきたなかで、事業部ならではの組織づくりや人づくりが必要になっています。できるだけ事業に寄り添った形での文化形成や人員配置が、私たち専属人事には求められています。

 

デジタルコンサルティング事業本部には約150人の従業員がおり、私を含めた約5人のチームで人事・採用を担当しています。

 

―これまでの経歴を教えてください。
大学卒業後、新卒で経営コンサルティング会社のリンクアンドモチベーションに入社しました。最初は内定者や社員向けの育成企画、実行を担当し、新卒採用のチームにも所属しました。母集団形成のための説明会の運営や、リクルーターとして採用の前線に立つ経験をさせていただきました。

 

2年目からは新卒担当を兼務しつつ中途採用も担当するようになり、3年目からは社長秘書として、ブランド開発などを担うようになりました。一流の経営者である小笹芳央社長(現会長)の近くで働けたことは、とても貴重な経験となりました。

 

4年強働いたのですが、自分のキャパシティや実力を超えた役割を担わせていただくなかで、自分で抱え込みすぎて、心身ともにコンディションを壊してしまったんです。それで3カ月間休職しました。それまでずっと走り続けてきたので、ここで一度冷静に自分のキャリアを考え直した結果、復職せずに退職して、Speeeに転職する道を選びました。

 

―なぜSpeeeを選ばれたのでしょうか?
一番大きな理由は、前職時代に尊敬していた先輩が、Speeeの人事で働いていたことです。偶然ですが、Speeeの事業拡大とともに組織人事を強めていきたいと声を掛けてもらって、役員と会う機会がありました。最終的な決め手は、会った役員たちが本当に仕事熱心で、ビジネスに真摯に向き合っていると感じたことです。一方で、まだ人事の側面では未完成なところも多く、こんな私でもこれまで培ってきたものを還元できるのではないかと思いました。そのときは、まだ創業4期目が始まるタイミングで、30〜40人規模の組織でした。

 

そこから全社付きの人事として採用を担当してきました。私が入社した当時から新卒採用は行っていたのですが、紹介エージェントさんに依頼しており、自社でのブランディングやインターンシップなどは実施していませんでした。

 

そこで、まずは自社での新卒採用の仕組みを整えることをメインミッションとしてスタートしました。その後、2016年に出産を機に産休、育休をとらせてもらい、翌年4月から今の部署に復職しています。

 

Speee「OB・OGキャリアインタビュー」

 

―現在は時短勤務ですか?
はい、9時半から17時までの時短勤務です。私の前にも育休から復帰した社員が何人かいたので、制度は整っていました。

 

変化のスピードが速い会社のため、使うツールひとつとっても、採用の制度にしても、戻ってきたときには浦島太郎になるだろうということは分かっていたので、休むことに不安はありました。復職してみると、やはり私が帰ったあとの会議や全社イベントなども多く、情報をキャッチアップするのが大変だなと感じています。

 

ただ、社内チャットなどでコミュニケーションは密にとっていますし、総務部の社員が、私の出られなかった全社イベントの資料をすぐにアップしてくれたり、動画を撮ってくれたりするので、その場の温度感なども知ることができて非常に助かっています。

 

―人事の仕事の面白さはどんなところに感じられていますか?
Speeeに入社してからの8年間で社員は約10倍に増えました。そのほとんどの社員の採用やフォローに関わらせてもらっています。人事としての仕事がそのまま業績や組織の規模の拡大成長につながっている感覚があり、それは本当にありがたいことだと感じています。

 

人事の仕事の成果は、短期的には分かりづらいものですが、数年後に、あのとき採用した社員がいなければ、この事業の成長はなかったな、などと思えることが、人事の仕事をしていて良かったと思うところですね。

 

―一方で、難しさもあると思います。
会社や事業が成長していくのと、個人が長いスパンで活躍していくのを結び付けていくことが難しいと感じています。例えば、入社したときは独身で、フルコミットで仕事を頑張ろうと思っていた社員が、ライフステージの変化で結婚や出産を経験し、男性も同じだと思いますが、価値観の変化が起きることがあります。今までとはギアの入れ方が変わったとしても、積み上げてきたものがゼロになるわけではないですし、また違った頑張り方があると思うんです。

 

でも、「今までと同じ頑張りができないから辞めないといけないのではないか」「この会社に居場所はないのではないか」と思ってしまう人もいます。新しい働き方の選択肢を作っていくことを丁寧にしていかなければ、人が離れていくなと感じています。

 

私自身、結婚してメリハリをつけて働くようになったときに、ふと、「これって会社にコミットしていないのではないか」「加速度的な成長を実現しようとしている会社に自分はいないほうがいいのではないか」と思った時期もありました。でも、そのとき上司や先輩に「こんな選択肢があるから、一緒にやっていこう」と言ってもらえたんです。それがあったから、今の自分があります。今の事業本部でも同じことを実現していけたらいいなと思っています。

 

Speee「OB・OGキャリアインタビュー」

 

―長い社会人人生のなかでは、いろいろな時期がありますよね。
はい、育児や介護もありますし、個人のモチベーションや体調も変化します。常にフルスロットルではもたないと思います。長い目で見た時に、トータルで安定したパフォーマンスを出せたらいいのではないかと思うんです。

 

でも、それが直属の上司からはなかなか言えなかったり、言ったつもりでも正しく伝わっていなかったりするので、それを人事の立場から丁寧にコミュニケーションをとることによって、気付いてもらえたらいいなと思っています。

 

“母ちゃん的存在”として、みんなを応援したい
―これまでで印象に残っているお仕事はありますか?
産休前になりますが、自ら手をあげて、組織課題を解決するためのプロジェクトを立ち上げて推進したことがあります。それまではリーダーという役割や役職があって、その人がリーダーシップを発揮するんだと思っていました。でも、先輩に「あなたがやってきた仕事もリーダーシップなんだよ」と言われて、非常に勇気をもらいました。

 

自分自身が課題と感じるものに対して、自分で解決策を考え行動する。そういう意識さえもっていれば、何に対してもリーダーシップを発揮できるし、組織にとって意味のある仕事ができると気付くことができました。それが復職するときのモチベーションにもなりました。

 

―日々、どんな勉強をされていますか?
何か課題があったときに、社内外問わず、信頼している人に話を聞いてもらうようにしています。社外でも、同じようなベンチャー企業の人事経験を持つ仲間がいるので、「こういう経験ある?」と相談して、いろいろな情報をもらったり、人をつないでもらったりしています。

 

あとは、SpeeeLibraryといって、書籍を借りられる制度があるので、それを利用して本からのインプットもしています。
これまで読んだ中ではチェスター・バーナードの『経営者の役割』という本が、非常に印象に残っています。組織とは何か、そこに所属する人が担うべきこととは何かが体系立てて書かれている本です。

 

Speee「OB・OGキャリアインタビュー」

 

―今後の目標を教えてください。
少し抽象的にはなりますが、従業員一人ひとりが強みを認識して、自信を持ってその強みを仕事に発揮できるようなサポートをしたいと思います。今までは、それを我流でやっていたのですが、これからはもう少し体系立った知識を身に付け、訓練する機会を増やし、個人や組織に対して確固たる貢献ができるようになりたいです。

 

また、子どもは2人目も欲しいと考えており、子どもにとっても、社員にとっても「しなやかな母ちゃん」という存在でありたいと思います。

 

賢く戦略を描き、推進できる人はこの会社にはすごく多いのですが、一方で、失敗したり、どんくさいことをしてしまったりすると、バカにされるのではないかと思ってしまいがちな風土も正直あります。実際はそんなことないんですけどね。スマートでなくても、泥臭く頑張っている人も応援できるような、みんなの母ちゃん的存在でありたいと思っています。

 

――ありがとうございました。

 

入江さんのある日のスケジュール
6:00 起床。洗濯物をたたみ、身支度の後、朝食を準備
7:00 夫と子どもを起こし朝食。家族を見送り掃除などを済ませる
9:15 出社。タスクの整理、slackの対応
9:30 事業部全体で行われる朝会に参加。Good&Newで同僚から自分の良い所を言ってもらえてモチベーションアップ
10:00 月一全社イベントのスライド・動画資料をインプット
11:00 事業責任者と育成課題についてMTG
12:00 意見交換を兼ねて、他事業部のHR担当とお店でランチ
14:00 新卒採用候補者との面接
15:00 育成研修についての資料作成
16:00 現場社員との人事面談
17:00 退社。保育園に子どもを迎えに行く
19:00 帰宅。保育園グッズの片付け、子どもとの入浴、食事の用意
20:00 子どもと夕食をとり、遊んだり絵本を読んだりする
21:00 子どもの寝かしつけ。大体一緒に寝落ちしてしまいます
22:30 夫が帰宅。夫の夕食の間、コミュニケーションをとる
23:00 保育園の準備や家計簿をつけた後、読書やドラマ視聴などリラックスタイム
24:00 就寝

 

株式会社Speee
入江佐和

 
page top