日本にある全てのブラック企業の根絶を目指して

一条工務店広島「OB・OGキャリアインタビュー」

vol.11

一条工務店広島「OB・OGキャリアインタビュー」

 

営業から人事へのキャリアチェンジ

 

―経歴を教えてください。
学校卒業後は、自動車関係の仕事に就きたいと思い自動車部品販売会社に就職しました。お客さまとの対話が何より楽しかった私は、営業職としてキャリアを積み、社内の販売コンテストで2年連続1位を獲得するまでになりました。
とはいっても、私の売上の半分以上はお客さまからの紹介によるものです。1位になれたのは、その方々のおかげだったと思っています。

 

私は人と接するときに、“自分の知識や経験を差し出して、目の前の人を応援する”姿勢で接することを心がけています。さらには、目の前の人だけではなく、その先にいる人にも喜んでもらえるように努めています。
そうすると、自然と自分の周りに人が集まってくるんですよ。この姿勢が、「あの人の接客が良かった」とお客さまが新しいお客さまを連れて来てくださる結果につながったと思っています。

 

―営業職からどのように現在の人事になったのか。
30歳のときに人材派遣会社に転職し、経営幹部として社内教育や人事制度の構築などに携わりました。人材派遣を自分の一生の仕事にするかどうかを悩み始めたころ、現在の一条工務店広島の柳本和英代表と出会ったんです。

 

採用が厳しい建設業の新たな戦略として、採用に特化した新部署を担う人材を探していると声を掛けていただきました。私がこれまでに培った営業力や集客力、人材の教育や人事制度に詳しいこと、何より私が人とのつながりを大切にしているところを評価してくれてのことだったそうです。率直にうれしかったですね。私も自分のキャリアに新卒採用を加えたかったこともあり、転職を決意しました。

 

―現在担当している業務内容について教えてください。
主に新卒採用のための企画立案や採用活動、入社後の研修教育計画の作成などを担当しています。キャリアコンサルタントでもあるので、研修でキャリアビジョンやキャリアデザインの描き方を指導することもありますよ。

 

ほかには、内定者のフォローですね。内定式後に月に1回、入社後に身に付けてもらう知識をまとめた資料を送付し、テストを行っています。目的は内定した後に抱きやすい「この会社で良かったのだかろうか」という不安を少なくするためです。
入社前に知識をつけることで安心感を深めてもらい、入社後のギャップを少しでも減らしていきます。

 

そして内定者同士の絆を深めること。入社後も気軽に相談し合い、切磋琢磨しつつもお互いを応援できる仲間になるための土台づくりができればと考えています。

 

自社の採用活動だけで終わらない、学生の人生を導く採用活動を目指す

 

一条工務店広島「OB・OGキャリアインタビュー」

 

川内さんは、初めての新卒採用で採用人数が前年度の3倍以上、内定承諾後の辞退者は3年連続でゼロという実績をあげた。

 

―初めての新卒採用で実績で成果を上げたのは、どのような取り組みによるものか。
採用担当になってまず、集団・個別を問わず、“面接”という名称を全て“面談”に変えました。もちろんただ言葉を変えただけではなく、キャリアコンサルタントの資格を生かして、 “傾聴”を重視した面談を行っています。

 

私が面接官を務める3次試験では40〜50人くらいと面談し、1人につき1時間ぐらい話すんです。こちらから質問をするのではなく、学生さんの悩みや、会社に直接聞きにくいこと(給与や残業、休みなど)を気軽に聞いてもらい、就職に対する不満と不安を消すように心掛けています。

 

よく学生さんからは「こんな面談は受けたことない」と言われます。実は、この面談は時期を分けて1人につき2回行っているんですよ。1回目の面談を経験すると学生さんの気持ちが変わるようで、2回目に会ったときは、話す内容や雰囲気が変化するんです。その変化を確認しながら、人柄をよく見て、会社の社風とマッチするかを探っています。
この面談を始めてから、学生さんの会社への理解も深まり、内定承諾後の辞退もなくなりました。

 

―具体的に面談ではどのようなことを話していますか。

 

私は面談を単なる採用活動ではなくて、学生さんの頭と心の中の整理を一緒にする時間にしたいと思っています。採用活動に“応援”というテーマを設けていて、学生さんが納得のいく就職活動ができるようサポートしたいと思っているんです。
そのために“ほめる達人”と“キャリアコンサルタント”の資格を生かし、面談で学生さんの価値を発見して、 積極的に伝えるようにしています。

 

自分では気付いていない自身の価値を知ることで、目の前の学生さんが元気になっていくんですよね。そして会社のことをより好きになってくれるんです。これが内定辞退ゼロに繋がっていると思います。

 

もちろん、面談をするうちに「自分の進むべき道はここじゃない」と別の会社に行く人もいます。でも、当社の採用試験が自分に合う道を見つけるきっかけになったのであれば、それでいいと思いますね。私の目標は、当社以外を選んだ学生さんと街中で会ったときに、「頑張っています!」と声を掛けてもらえる関係になることなんですよ。

 

―こうした面談のスタイルはどのように作り上げたのか。
他社の事例を参考にしながら、自分ならではの面談スタイルを模索してきました。
試行錯誤を重ねる中で、私にできるのは「目の前の人を応援すること」 だと思い至り、今のスタイルにたどり着いたんです。採用を単に自社を発展させるためのものではなく、学生さんの人生を導ける活動にできれば、採用活動を通じて社会にも貢献できると信じています。

 

―自分の知識や経験を差し出して、目の前の人を応援するという姿勢は営業のころから変わらないものなのか。
営業時代、「他社で良いものがあればうちで買わなくても結構です」とよく言っていたんですが、その頃とスタンスは変わっていません。
“目の前の人のために”と思ってやることが、結局はファンをつくることにつながるんだろうと思います。

 

講師をしている“ほめる達人協会”では、「目の前の人を輝かせると、その照り返しで自分が輝いてくる。自分が輝こうと思うといやらしくなるけど、 相手を輝かせれば輝かせるほど照り返しで自分も輝き、その明かりに人が集まってくる」と教えています。日々の業務で、この言葉を実践している感じですね。

 

一条工務店広島「OB・OGキャリアインタビュー」

 

広島の地域貢献につながる採用活動のモデルをつくりたい

 

―これからの目標を教えてください。
人事として地元である広島を盛り上げ、恩返ししたいと思っています。

 

今、大手や中小に関わらず、広島の企業は学生が県外に流出しないように取り組んでいます。しかし、現在は個々の企業が地元で働く魅力を発信しているだけで、それでは大きな結果は期待できません。
そこで、「企業同士がお互いに情報交換し、学生の流出を防いで、一丸となって広島を盛り上げていこう」と声を掛け始めたところなんですよ。

 

今の時代は情報が多すぎて、学生さんが何を選ぶべきなのかを迷っているように思います。そこで私たち企業側が価値のある正しい情報をきちんと伝えれば、自然と選択肢が絞られて、学生さんも本当に自分に必要なことを選べるようになるはず。

 

職業選択を正しくできれば、内定辞退や離職も減るし、何より楽しんで仕事に取り組めますよね。それが広島で働くことに誇りを持つことにつながり、 ひいては広島を盛り上げることになると信じています。

 

このように、私たち人事にしかできない形で地域や社会に貢献していきたいですね。
―ありがとうございました。

 

川内さんのある日のスケジュール

 

7:00 起床。朝食 息子(小学生)に行ってらっしゃいの挨拶の後に必ず「楽しんで♪」をつけて送り出す
8:00 出社。車で5分ほど
8:30 勤務場所を掃除後、メールチェック、タスク整理
10:00 部下と来年度の採用コンテンツについてmtg
12:00 昼食。部下を誘ってお好み焼きでランチ。週に1度はお好み焼きを食べます
13:00 入社後研修のサポート。各部署と連携して研修を実施しています
16:00 2019年入社の社員との同期会面談
17:00 翌日の予定とタスクのチェック
18:30 帰社。早く帰れる日は、息子のバレーボール練習を見て、ほめるところを探している
20:00 夕食、息子と一緒に風呂に入り、将来について語り合う
23:00 就寝

 

株式会社一条工務店広島
経営企画室室長
川内 涼

 
page top