日本にある全てのブラック企業の根絶を目指して

NHK_日本放送協会「ワークライフバランス・キャリア・退職理由を暴露」

 

ワークライフバランス

 

ディレクター、在籍5〜10年、退社済み(2015年より前)、新卒入社、男性、日本放送協会(NHK)

 

番組の企画制作や、記者業務は、基本的にとても忙しい。私が勤務時していた時期は、一人のディレクターが担当する番組数も多かった。特に、ローカル放送枠も大きかったため、私の先輩・後輩を含めて、みんな忙しかった。番組制作を回していくため、私の場合は、週末等も利用をして取材等に出かけることも多かったと記憶している。

 

仕事が忙しすぎることが理由で、同期の記者やディレクターの中にも、入社後すぐ、あるいはしばらくして、休職や退職をする人も数名いた。体調を悪くしてしまった人もいたようである。現在は、ローカル放送枠が私の在籍時と比較して減ったため、ディレクター一人にかかる負担も軽減されたと聞いている。また、仕事がある程度慣れてくれば、自分の裁量の範囲で、仕事のスケジュールは自由に組むこともできる。そのため、私は、仕事がある程度なれてきた入社後数年目からは、週末や平日の時間等を利用して、自己研鑽のために、英会話学校等に通う時間も確保していた。また、テレビ局員の仕事の宿命として、全国転勤がある。子育て等との両立に難しさがあることを言う人もいる。

 

ディレクター、在籍5〜10年、退社済み(2020年以降)、新卒入社、男性、日本放送協会(NHK)

 

ディレクターには皆無です。災害報道では、どの部署にいても駆り出されます。年末年始、お盆なども番組制作の都合で変則的です。1ヶ月前に予定を組めることはまずありません。だいたい旅行もキャンセル、延期が当たり前でした。

 

調整も、演者次第、取材先次第なので自分でどうすることもできません。休みがあってもバンバン電話やチャットが飛んできます。みんな熱があっても仕事します。土日も勤務がある。その分の代休は制度としてあるが、仕事量や雰囲気的に休むことは難しい。毎日、取材先の状況が変わるため、休んで迷惑かけることが多いからだ。結局代休も働いている。

 

報道、在籍3年未満、現職(回答時)、新卒入社、男性、日本放送協会(NHK)

 

働き方改革を率先してアピールしているが、業務柄なかなか厳しいのが現状。休みの日に取材先と会って話を聞くことも多く、完全なプライベートの時間は少ない。ただ以前よりは残業や有休消化など働き方のルールが見直されたため、休みは取得しやすい。有給は月に一度必ず取らされる。ただ、記者やディレクターは仕事時間がバラバラ。特に記者は自分のスケジュールでは動けないので働き方は営業とは違うことを認識しておいた方がいい。

 

キャリア

 

営業、在籍3年未満、現職(回答時)、新卒入社、男性、日本放送協会(NHK)

 

働きがい:
世間体、給与など待遇面は充実している。充実しているが故に働かない人間も同等の待遇を受ける。不公平感は否めない。窓際族を多くうみだす原因になっているのではないか。

 

成長・キャリア開発:
無形商材の営業でのキャリア開発はない。商材は放送法に基づいて契約しなければならないものを「適正化」するのみである。実務は訪問営業する要因を管理することであるため、営業力は身につかない。ポータブルスキルとは言い難いため、市場価値を向上させたい人や転職を考えている人にはおすすめできない。終身雇用を信じていて、ストレス耐性が高く、NHKへの愛が深い人は頑張れると思う。事務処理や報告業務、資料作成が多いため、メールやオフィスなどは高いレベルで身につく。

 

取材、在籍5〜10年、現職(回答時)、新卒入社、女性、日本放送協会(NHK)

 

働きがい:
もともとこの業界に関心がある人にとっては働きがいはあるかと思う。NHKに入らなければ経験できないことが沢山あり、世間にアウトプットされるニュースに何らかの形で携われることは直接的であれ間接的であれ働きがいがあると思う。

 

成長・キャリア開発:
職員の育成という面ではあまり十分な制度や管理職への研修はない。勝手に成長していくものという雰囲気が強く、みんなで若手を育てていこうというような空気はない。そのため、出遅れたりくすぶっている職員にとっては苦痛な環境だと感じる。これもどの地域に配属され、どんな上司や先輩と仕事をするかで大きく変わり、結局は属人的な問題が大きい側面もある。

 

放送事業のマネジメント、在籍3〜5年、現職(回答時)、新卒入社、女性、日本放送協会(NHK)

 

働きがい:
管理系は消化仕事が多い。ジョブローテーションの風潮が強いため、希望外な仕事をメインに振り分けられるのは珍しくない。

 

成長・キャリア開発:
管理系で言えば、この組織でしか生きて行けない人間を育てるのに力を注いでいる。一生尽くす前提でキャリアシステムが組まれているので、抜け出すのは困難を極める。地方ごとにメインの担務が変わるので、素人はいつまでも素人。ただ組織独特のシステムには詳しくなっていく。東京に10年いた人間でもいきなり地方に飛ばされることがよくあるし、最近は子会社への出向も多い。50代の管理職も出向になる可能性があり、落ち着かない組織である。

 

制作、在籍3〜5年、退社済み(2020年より前)、新卒入社、男性、日本放送協会(NHK)

 

成長・キャリア開発:
ドキュメンタリーや報道系の番組を制作したい人には良いと思う。1年目から研修後すぐに企画制作を経験することができるのは、すごいと思った。一方で、かなり自主的に学び、吸収していかないと成長できないと思う。特に初年度は上司によって仕事を覚えられるかどうかは変わってくるような気がする。地方局は先輩から学ぶことが多く、一応形だけのメンター制度はあるが、仕事やプライベートを通じて仲良くしたほうが、相談しやすくなると思う。中には厳しい先輩もいたが、年が近い先輩ほど親しみやすく、基本話しやすい人が多いとは思う。

 

一方で怒られながら学んでいくというのが当たり前の感覚なので、怒られなれていない人にとっては少し厳しいかもしれない。しかし1年目でも企画を通せれば大型番組を制作することもできるチャンスがあるのはすごいことだと思った。また環境にもよるが、有名な制作者の話を聞く機会が研修でもあるので貴重な経験をさせてもらえた。研修は3年ぐらいまで定期的にあり、その後も色々な研修があるようだ。自分から手を挙げて参加するものもあり、その際は仕事のスケジュールを上司とも相談して調整する必要があるので、どうしても受けたい研修はなるべく早く動いた方がよいと思う。

 

退職理由

 

放送管理、在籍3〜5年、現職(回答時)、新卒入社、女性、日本放送協会(NHK)

 

転勤が3、4年のスパンであり、かつ配属先も多岐に分かれるため先行きがわかりにくく、人生設計が立てにくい。結婚して家庭があったり、親の介護といった事情がないかぎりは配属先もパズルの穴埋めのように、本意でない場所に配属されることもある。

 

受信料制度のありようについて、疑問を感じる若手職員の存在も否めない。定期的に報道される不祥事で、モチベーションを大きく下げられる。(職員のほとんどはモラルがあり能力の高い人ばかりだけど、ひとたび一部の人が不祥事を起こせば、大きく取り沙汰されてNHK職員全体に対する厳しい批判を受ける)

 

記者、在籍3年未満、現職(回答時)、新卒入社、女性、日本放送協会(NHK)

 

社会に対してなにも寄与できていないと思った。取材はあくまで受け身の姿勢で、新たに情報としてニュースを作るとはいえ、取材先の話をまとめて流すだけなように思えた。また独自の出稿など評価項目はあるが、評価の仕方に理解ができなかったことも理由に挙げられる。なにより取材して得た情報を視聴者は必要としているのか、社会は必要としているのか、疑問に思ってしまい仕事をやる意味を見出すことができなかった。また記者という仕事の特性上、専門性はあっても広く浅くな部分が多いことも、自分が死ぬときに何か成し遂げたと言えないと思ってしまった。またこのままモチベーションで仕事を続けても、自分の実力や疑問に思っている姿勢から特ダネ記者になり、社会を変えることもないと思った。

 

記者、在籍3年未満、現職(回答時)、新卒入社、女性、日本放送協会(NHK)

 

あくまでも広く浅く、受動的な仕事だと感じたから。社会を変えたいとか、社会を良くしたいという思いがあるのであれば向いていない。なぜなら社会を良くしようとする人を取材して、まとめて番組にするのが仕事だから。自分自身では何もできないし、それをみているだけだった。また記者という仕事の特性上、悪いことをニュースにしなくてはならないこと。ニュースの多くが悪いことだし、それを探さなくてはならないのは自分自身辛かった。人間関係を築き、情報を得るということは楽しいが、それで誰かが迷惑を被ると思うと辛くなる。

 

一番辛いのは、自分自身がテレビで情報を集めるタイプではないこと。自分がテレビをみない、テレビで何かを知った経験がないから自分の仕事が必要な仕事だとは思えず、どんなに頑張っても、どんなに残業しても、どんなにテレビで見たよと伝えられても、なにもピンとこなかった。逆にテレビをみないからこそ、テレビ大好き人間ではないからこそやっていけるのではないかと思ったが、自分の仕事の存在意義を感じることができないのは、正直辛い。また同世代からもみてないと言われることが多い。みたと言われるのはあくまで40代以上。自分たちの世代の見てなさを考えるとモチベーションが上がらない。

 
page top